株式会社 Open Field オープンフィールド

COLUMN

「そんなところに電話番号載せないでください!」からの大逆転アイディア

ここでは、

・ユーザー心理を解析し、デザインに落とし込むための考え方・アイディア

・ユーザー心理から考えた新たなビジネスアイディア

・それらを実際にクライアントのサイトで実行した結果

を「知的探究心のある方」(デザイナーさんに限らず)に対して発信していこうと思っています。

結局のところほとんどの話が「セオリー(常識)を無視し、ユーザー心理を優先したらうまくいったアイディア」に着地するとは思いますが、具体的な内容を踏まえて話をしようと思いますので、「こんな考え方や発想があるんだな~」「このアイディア面白いな~」という感じでご覧いただければと思います。

「そんなところに電話番号載せないでください!」からの大逆転アイディア

では本題へ

そんなところに電話番号載せないでください!

今日はオンラインショッピングサイトで施したアイディアとその結果についてです。

突然ですが、オンラインショッピングサイトでは、お買い物かごの近くに電話番号を掲載しないほうが良いと言われます。

いわゆるセオリーってやつですね。

このセオリーがある理由は、"せっかくオンラインでの効率化を図っているのに、電話されたら効率化にならない"からです。

当たり前といえば当たり前の話ですよね。。。

ところが、私は、あるサイトで、そのセオリーを無視して、買い物かごの近くに電話番号を掲載するアイディアを実行しました。

そうすると、クライアントからは「なぜそんなところに電話番号載せるんですか?」「店舗に電話かかっちゃうじゃないですか!」と至極当然の反対意見をもらいました。

そんな反対意見に対して説明してご納得いただき、結果として売上げが10倍になったんです。

そんなクライアントの反対を押し切り、結果が出るだろうなという自信(とちょっとした心配)があったのは、ペルソナの心理分析から導き出したアイディアがあったからです。

「そんなところに電話番号載せないでください!」からの大逆転アイディア

マニアが感じるもどかしさをヒントに

またまた突然ですが、皆さんは何か収集したりしていますか?

世の中には、例えば、スニーカーやジーンズを集める方がいらっしゃいます。いわゆるマニアと呼ばれる方です。

特にヴィンテージ系のものは、1点ものが多く、長年探し続けても見つからないなんて結構あるんですよね。

もう、それはそれは・・・・長年探してもなかなか見つからないから、どんどん欲しくなっちゃうんですね。

どれくらい欲しいか言うと、いっそのこと値段なんてどうでも良いレベルで欲しくなっています。

みなさんもちょっと想像してください。

長年見つけられなかった本気の本気で絶対欲しいものが、いきなり目の前に現れたらどうしますか?

もちろんGETしたいですよね!?他の人に買われたくないですよね。絶対。。。

それだけ、ほしい商品なわけですね。

なので、カートに入れて個人情報を入れてカード情報を入力して。。。なんてしている時間が、超~~~~もどかしく感じるんです。

個人情報はまだいいですよ。カード情報なんて覚えてないよ~という人は財布からカードだして、、、なんて手間もあるわけで。

そうするとどんどんもどかしさが増しちゃいます。

そんな間に他の人に買われちゃうかもという不安は、本人にとってはとても重大なんです。

いっそのこと、電話させちゃえ!

そんなもどかしさの中にいるのは、嫌じゃないですか?

そこで私は考えたのです。

他の人には買われたくない、絶対欲しい!と思ってくれるお客さんがいて、その方はもどかしさを感じてしまうのであれば、いっそのこと電話させちゃったほうが良いんじゃないかと。。。

だって、電話して、「この商品ほしいので、取り置きしてください」って言うだけなので。

ここまでの理屈があって、最後に

じゃあ「電話しよう」と思ったときに、電話番号がわからないと意味がないので、買い物かごの近くに電話番号を掲載したというわけです!

「そんなところに電話番号載せないでください!」からの大逆転アイディア

セオリー通り=考えていませんと言っているようなもの

往々にして「まぁ、ここはセオリー通りで」なんて結局考えていないことをアピールしているだけで、怠慢なわけです(よく考えてセオリー通りなら良いですよ、もちろん)

決して間違っていただきたくないのは、セオリーを無視することではなく、お客さんのためになるのであれば、セオリー通りにしない方が良いということもあると理解することだと私は思います。

長くなりましたが、今日のアイディアは、「マニア心を分析してセオリーを無視したら、売上げが上がった」内容でした。

ちなみに、さきほどのクライアント、不思議なことに、店舗にお電話をされて購入する方も、オンラインショップ上で購入する方も両方増えたのです。

当然、運営されているお店の方々の努力があってのものですので、全てがこのアイディアのおかげではありません。

しかし、きちんとした根拠があるのであれば、セオリーを無視することはとても重要なことであると実感した案件でした。

ちなみに、このクライアントは会員登録数も80倍くらいになっているので、そのアイディアも今度共有したいと思います!

今日は以上です! また次回!

2021.04.28